「「間身体性」の近さと隔たりー間身体性の倫理学の構想(2)ー」(坂本秀夫著、跡見学園女子大学文学部紀要、第54号:125-144、2019)を読むの巻
久しぶりに読み応えのある日本語論文に出会った。これまで私がいろんなところに書いた、自己の死と他者とは体験様式が似ているというのは、ヘルトのフッサール他者論批判から(いささか強引に)抽出した知見だが、この論文では同じヘルトのフッサール批判を踏まえながらも、まったく異なる知見が示唆されている。
なにしろフッサールの「想像講義」と「デカルト的省察」を結び付けようというのだから。
フッサール研究でも新しい芽が育ちつつあると見受けられる。
しかも、間身体性などというからメルロ・ポンティが出てくるのかと思いきや、同じフランス現象学のマルク・リシールが出てくる。リシールは未見だったので、さっそくアマゾンで注文しておいた。
暫くぶりに他者論に新たな発展(もしくは出直し)がもたらされそうな予感。
■「サルトルの像理論における類比的表象体の実体化について」(荒金直人、慶應義塾大学日吉紀要、フランス語フランス文学、No.53,35-49,2011)を読む。
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