研究日誌(2021/8/8)『数学に魅せられて科学を見失う:物理学と「美しさ」の罠』(ホッセンフェルダー著、吉田三知世訳、みすず書房、2021)を読みながら、人文死生学研究会の発表を反省する

理論物理学で現在人気のテーマは、単純さ、自然さ、そしてエレガントさだ。これらの言葉は、厳密に言えば、恒久的な定義を得ることは決してないし、私も本書でこれらを定義しようと試みるつもしはない。これらの言葉がいまどのように使われているかということだけ、お話ししよう。」(ザビーネ・ホッセンフェルダー、p.112)

 以上、引用しながら、先日の(8/1)人文死生学研究会(第19回)の発表「アニメとフランス小説に見る自我体験からの死生観展開」で質問に十分答えられなかった諸点を考えたい。

問:私の死と同時に世界が消えるという世界消滅説をなぜ採用しないのか?
答:「単純さ」はあっても「自然さ」がないからだ。自然さとはこの場合、信じられること、という意味になる。終活をしながらつくづく思ったが、やはり世界消滅説を私は信じてはいない。その意味で、「自然さ」がない。

問:

<作業中>