心理学者正高信男氏の論文不正報道について

■もう一週間前になるが、京大霊長研所属(今年度定年退職)の心理学者正高信男氏に論文不正があったことが大学側の調査で判明したというニュースを読んだ。

  ああ、やっぱり、と思った。氏の著書といえば、数年前に自分のコミュ障研究の必要性から、『コミュ障ーー動物性を失った人類』(講談社ブルーバックス、2015)を読んだだけだが、あまりのデタラメぶりに担当編集者に抗議したくなった。ブルーバックスのような一応は権威ある(?)レーベルの編集者の癖にこんな本を書かせて著者の晩節を汚させた、といったように。

 だから、今年の6月に出した『明日からネットで始める現象学』では、わざわざ、<読んではいけない!「専門家」によるコミュ障本>という小見出しを設けて槍玉にあげて置いた(pp.114-116)↓↓↓

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 正高本の方は読むだけ時間の浪費だったとさっさと古本屋に売ってしまって手元にないが、記憶の限りでは今回の捏造実験の元になったアイデアらしきものが書いてあったような。

 ネット検索すると正高氏は小保方晴子の新刊をずいぶんと批判しているが、やっていることは大同小異だ。心理学界全体が迷惑するからこういうことはやめて欲しいものだ。