アグリッパ・ゆうの読書日記(2024/4/27)精神障がいのある親に育てられ、成長して支援職に就いた子どもたちの語り

■『静かなる変革者たちーー精神障がいのある親に育てられ、成長して支援職に就いた子どもたちの語り』(横山恵子・蔭山正子・こどもぴあ、ペンコム、2019)を読む。

心に残った箇所から抜き書き。
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そして、支援者として経験を積んで、悩んで、分かったのはこのことでした。
「家族は家族、支援者にはなれないーー」
 家族だからこそできることはたくさんありますが、家族にも支援の限界はあります。自分が人生の岐路に立たされた時、自分の人生より家族を優先することは、やはり難しいことです。当時の自分は、人生を犠牲にしてでも、母に寄り添うことが良いことだと思っていましたが、それは長く続かず、無理をしている状態でした。何かを犠牲にして面倒をみることが家族の役割なのでしょうか。
 家族と言っても、精神障害をもつ「その人」を支えることは簡単なことではありません。つらくなって当たり前だし、投げ出したくなって当たり前です。(p.46)

 精神障がい者を抱える家族が、まわりに助けを求めることができないのは、世間一般にそういう場合、家族の面倒をみるのは家族だとされているからです。(p.47)