2023-01-01から1年間の記事一覧

アグリッパ・ゆうの読書日記(2023/12/9~2024/1/6)『悪魔の処方箋』で当事者家族が訴える向精神薬の恐ろしさ

ランキング参加中精神医療 ■『「今までありがとう、これからもお願い」: 精神科医療に翻弄された父親の12年の闘い 』(2022)、『悪魔の処方箋』(2023).ともに吉村敏男著、Kindle版.Amazon Services International LLC.を読む。 色んな意味で震撼させら…

研究日誌(2023/12/21)統合失調症は脳の心身症!

ランキング参加中精神医療 ■『統合失調症のノンアドレナリン説:開けゆく展望』(山本健一著、星和書店、2023)を読む。 第八節 脳も心身症となる(p.289ff) という小見出しの付いた興味深い節を見つけたので、忘れないうちに肝要な部分を引用しておきたい。…

研究日誌(2023/11/7)『遺伝と平等』「統合失調症の脳病態解明の到達点・未到達点」を読んで

ランキング参加中精神医療 ランキング参加中社会問題 ■「統合失調症の脳病態解明の到達点・未到達点」(柳下祥・笠井清登)『医学のあゆみ』(Vol.286,2023.8.5)を読む。 「症候群に対して対症療法として各困難に対する改善を支える生物学的な治療の開発と…

研究日誌(2023/10/23)『ストール精神薬理学エセンシャルズ』より統合失調症の病因について

ランキング参加中精神医療 ■『ストール精神薬理学エセンシャルズ:神経科学的基礎と応用Ver.5』(S.H.Stahl, 仙波純一他(訳)、メディカルサイエンスインターナショナル、2022)は、どんな精神医学テキストよりも詳しくてしかもわかりやすいが、1万2千5百…

研究日誌(2023/9/30)脳は内から世界をつくる(G.ブザーギ著、日経サイエンス

ランキング参加中精神医療 ■「脳は内から世界をつくる」(G.ブザーギ 日経サイセンス 2023.10月号、78-85)より、引用する。 かつて若い講師だったころ、私は医学生向きの講義で、神経生理学を教科書どおりに教えていた。脳がいかに外界を知覚し、身体を制御…

研究日誌(2023/9/22)『マインド・フィクサー』より(続)

ランキング参加中精神医療 ■『マインド・フィクサー』については、研究日誌(2023/9/4)でも引用したが、ようやく読了し、そして結論の末尾に近く、意義深い文章をみつけたので、抜粋しておきたい。 「これまでとは対照的に、新しい精神医学は謙虚さを美徳と…

研究日誌(2023/09/19)『統合失調症は治りますか』(池淵恵美)より

ランキング参加中精神医療 ■池淵恵美著『統合失調症は治りますか:当事者・家族・支援者の疑問に答える』日本評論社、2022)より、抜粋する。 「Q21 統合失調症という病気は治りますか。 Ans 私が一番残念に思っているのは、「人類がまだ統合失調症を克服で…

研究日誌(2023/9/4)『精神科診断に代わるアプローチ PTMF』等を読んで

■『マインド・フィクサー:精神疾患の原因はどこにあるのか?』(アン・ハリントン、松本 俊彦/監訳、金剛出版、2022 )を読む。 1963年から始まったアメリカの脱施設化について‥‥ 「だが脱施設化による地域が進むと、精神保健・医療システムは患者に対処する…

研究日誌(2023/8/6) 観劇は他者経験のモデルにはならないようだ:『像意識と平面構成:フッサール想像論の未開の境地』(伊集院令子)を読みながら

ランキング参加中哲学 ■以前の記事「研究日誌(2022/3/19)フッサール他者論、リシールの空想身体論、ファンタシアを経由して間身体性へ?」で、坂本(2021)の次の文章を引用しておいた。 「フッサールは「知覚的空想(perzeptive Phantasie)」という概念…

orpheusAI作曲主題歌「時空をわたる吟遊詩人」を公開したの巻

ランキング参加中あなたの世界観を語ろう AI自動作曲システムOrpheusで「時空をわたる吟遊詩人」を公開しました。上記のリンク先Orpheusサイトで試聴できます。 元々、同名の世界名作二次創作シリーズの主題歌として作曲したものです。二次創作の方は「第Ⅰ…

研究日誌(2023/06/03)オンラインジャーナル『こころの科学とエピステモロジー』Vol.5(2023) 刊行

■このほどオンラインジャーナル『こころの科学とエピステモロジー』Vol.5(2023)が刊行されました。●サイト公開日:5月15日。下記サイトより各記事がダウンロードできます。 https://sites.google.com/site/epistemologymindscience/home ●J-Stage搭載版は…

アグリッパ・ゆうの読書日記(2023/05/07)『心病むわが子』(アン・デヴソン、堂浦恵津子訳、晶文社、1995)を読む

ランキング参加中精神医療 ■表記の本を読む。原著は1991発行で少し古いが、書かれているのは今でも未解決な問題だ。心に残ったくだりを引用しておく。 なお、言うまでもないが、下記に「分裂病」とあるのは、現在「統合失調症」と呼ばれている疾患である。こ…

研究日誌(2023年5月5日):メルロ・ポンティが他者経験と夢経験の共通性を指摘していたという驚くべき論文

ランキング参加中哲学 ■タイトルの通りです。論文名は"The sleeping subject: Merleau-Ponty on dreaming", by James Morley, in Theory & Psychology, Volume 9, Issue 1,1999. https://doi.org/10.1177/0959354399091005 この著者のものは数年前の「他者に…

米国エネルギー省の発表でいっそう信憑性を増すコロナ武漢研究所流出説

ランキング参加中社会問題 タイトルの通りです。 昨年(2021/8/10)の記事をほぼそのまま再掲します。 『文芸春秋』2021年8月号にも長文のレポート「武漢ウィルス人工説を追え!」(近藤奈香)が載り、コロナウィルス武漢研究所流出説がいよいよ信憑性を増し…

アグリッパ・ゆうの読書日記(2023/2/5)『精神破壊:うつ~統合失調症~入院~回復までの道のり』を読む

■『精神破壊:うつ~統合失調症~入院~回復までの道のり』(守門丈・守門紀著、東京図書出版、2018)を読む。 「‥‥子供の友達を泥棒と思い込むのは毎度のことであり、‥‥妻にとっては仕方のないことかもしれない。現実の記憶と想像したことの区別がつかない…

「日本学術会議声明への賛同」への反対意見「学術会議の抜本的改革を求める」を日本心理学会事務局に送るの巻

日本心理学会事務局から会員宛て「日本学術会議声明への賛同」のお知らせメールがきたので、「反対します」とリプライしたところ、以下のようなやり取りになったので、差し支えない範囲でこの記事の後半に引用しておく。「学術会議の抜本的改革を求める!」…