精神医療

研究日誌(2024/1/17)見当はずれの精神疾患アンチスティグマキャンペーン

■「精神疾患とスティグマ:わかっていること・いないこと」(山口創生著、『精神保健福祉』Vol.54, no.3, 216-223, 2023) を読む。 特に次の段落が目を引いた。 「‥‥精神疾患に対する正しい知識が長期にスティグマの減少につながるかは、近年の研究から疑問が…

研究日誌(2024/01/09):元農水次官の家の事件再考

■昨年末の記事で紹介した 『「今までありがとう、これからもお願い」: 精神科医療に翻弄された父親の12年の闘い 』(吉村敏男著、Kindle版) より、特に以下のくだりが印象に残ったので抜粋する。---------------------- 元農水次官が精神病の四十四歳の長…

アグリッパ・ゆうの読書日記(2023/12/9~2024/1/6)『悪魔の処方箋』で当事者家族が訴える向精神薬の恐ろしさ

ランキング参加中精神医療 ■『「今までありがとう、これからもお願い」: 精神科医療に翻弄された父親の12年の闘い 』(2022)、『悪魔の処方箋』(2023).ともに吉村敏男著、Kindle版.Amazon Services International LLC.を読む。 色んな意味で震撼させら…

研究日誌(2023/12/21)統合失調症は脳の心身症!

ランキング参加中精神医療 ■『統合失調症のノンアドレナリン説:開けゆく展望』(山本健一著、星和書店、2023)を読む。 第八節 脳も心身症となる(p.289ff) という小見出しの付いた興味深い節を見つけたので、忘れないうちに肝要な部分を引用しておきたい。…

研究日誌(2023/11/7)『遺伝と平等』「統合失調症の脳病態解明の到達点・未到達点」を読んで

ランキング参加中精神医療 ランキング参加中社会問題 ■「統合失調症の脳病態解明の到達点・未到達点」(柳下祥・笠井清登)『医学のあゆみ』(Vol.286,2023.8.5)を読む。 「症候群に対して対症療法として各困難に対する改善を支える生物学的な治療の開発と…

研究日誌(2023/10/23)『ストール精神薬理学エセンシャルズ』より統合失調症の病因について

ランキング参加中精神医療 ■『ストール精神薬理学エセンシャルズ:神経科学的基礎と応用Ver.5』(S.H.Stahl, 仙波純一他(訳)、メディカルサイエンスインターナショナル、2022)は、どんな精神医学テキストよりも詳しくてしかもわかりやすいが、1万2千5百…

研究日誌(2023/9/30)脳は内から世界をつくる(G.ブザーギ著、日経サイエンス

ランキング参加中精神医療 ■「脳は内から世界をつくる」(G.ブザーギ 日経サイセンス 2023.10月号、78-85)より、引用する。 かつて若い講師だったころ、私は医学生向きの講義で、神経生理学を教科書どおりに教えていた。脳がいかに外界を知覚し、身体を制御…

研究日誌(2023/9/22)『マインド・フィクサー』より(続)

ランキング参加中精神医療 ■『マインド・フィクサー』については、研究日誌(2023/9/4)でも引用したが、ようやく読了し、そして結論の末尾に近く、意義深い文章をみつけたので、抜粋しておきたい。 「これまでとは対照的に、新しい精神医学は謙虚さを美徳と…

研究日誌(2023/09/19)『統合失調症は治りますか』(池淵恵美)より

ランキング参加中精神医療 ■池淵恵美著『統合失調症は治りますか:当事者・家族・支援者の疑問に答える』日本評論社、2022)より、抜粋する。 「Q21 統合失調症という病気は治りますか。 Ans 私が一番残念に思っているのは、「人類がまだ統合失調症を克服で…

研究日誌(2023/9/4)『精神科診断に代わるアプローチ PTMF』等を読んで

■『マインド・フィクサー:精神疾患の原因はどこにあるのか?』(アン・ハリントン、松本 俊彦/監訳、金剛出版、2022 )を読む。 1963年から始まったアメリカの脱施設化について‥‥ 「だが脱施設化による地域が進むと、精神保健・医療システムは患者に対処する…

アグリッパ・ゆうの読書日記(2023/05/07)『心病むわが子』(アン・デヴソン、堂浦恵津子訳、晶文社、1995)を読む

ランキング参加中精神医療 ■表記の本を読む。原著は1991発行で少し古いが、書かれているのは今でも未解決な問題だ。心に残ったくだりを引用しておく。 なお、言うまでもないが、下記に「分裂病」とあるのは、現在「統合失調症」と呼ばれている疾患である。こ…

アグリッパ・ゆうの読書日記(2023/2/5)『精神破壊:うつ~統合失調症~入院~回復までの道のり』を読む

■『精神破壊:うつ~統合失調症~入院~回復までの道のり』(守門丈・守門紀著、東京図書出版、2018)を読む。 「‥‥子供の友達を泥棒と思い込むのは毎度のことであり、‥‥妻にとっては仕方のないことかもしれない。現実の記憶と想像したことの区別がつかない…

研究日誌(2022/4/11)『こころの病いときょうだいのこころ: 精神障害者の兄弟姉妹への手紙』より。

■『こころの病いときょうだいのこころ : 精神障害者の兄弟姉妹への手紙』(滝沢武久著、京都:松頼社、2017)より。手紙に答える形での質疑応答から抜粋しておく。 Q「医師や支援者からは症状が安定してよくなっていると聞きましたが、発病前とはほど遠く、…

アグリッパ・ゆうの読書日記(2021/5/3)『当事者が語る精神障がいとリカバリー』で発見したゲームとホメロスの関係/当事者と家族のすれ違い

■『当事者が語る精神障がいとリカバリー:続精神障がい者の家族への暴力というSOS』(YPSヨコハマピアスタッフ協会&影山正子、編著、明石書店、2018)を読む。ためになる一文をみつけたので、忘れないうちに引用しておく。 「ひきこもっていた時、テレビ…