研究日誌
■『滅亡するかもしれない人類のための倫理学』(稲葉真一郎)より。 「・感覚の主観性とは、突き詰めると、「人は一人ひとり、互いに比較することができない唯一無二の存在である」ということを意味するのではないか。そして道徳とは、そのような、それぞれ…
■ソームズ『意識はどこから生まれてくるのか』(青土社)より。続き。 「上丘の最しんそうには、眼球運動を制御するマップがあります。このマップは、その上にある他の感覚マップよりも内来敵に安定しています。なぜなら、他のマップはこのマップと比較しな…
ランキング参加中哲学 ■『科学と近代世界』(ホワイトヘッド著作集第6巻、上田泰治・村上至孝/訳)松籟社、1981 より。 もしAが永遠的客体であるとするならば、‥‥Aに適用される「可能態」という言葉の意味は、Aの本質のうちに現実契機との関係に対する待…
■マーク・ソームズ『意識はどこから生まれてくるのか』(岸本克史・佐渡忠洋(訳)、青土社、2021)より。 「‥‥憂慮すべきことは、これらの現代的な理論に直接起因して、(コッホやトノーニのような)立派な神経科学者の中に、そうかもしれない〔インターネ…
ランキング参加中哲学 ■『時間観念の歴史:コレージュ・ド・フランス講義 1902-1903年度』(アンリ・ベルクソン、藤田・平井、他訳、書葎心水、2019)より引用する。今までよく分からなかった、フッサールモナド論の淵源としてのライプニッツモナド論が、よ…
■Sync-Ing in the stream of experience: Time consciousness in Broad, Husserl. and Dahnton, by S. Gallagher. PSYCHE, 9(10), April 2003を読む。 この論文オンラインのみのせいか頁番号がないが、8p.目、3-2節から引用する。 「すでに指摘したように、B…
ランキング参加中哲学 ■ユヴァル・ノア・ハラリ『NEXUS 情報の人類史(下)』(柴田裕之訳、河出書房出版社、2025)より。 「‥‥人間であろと動物であろうとコンピューターであろうと、誰か、あるいは何かに意識があるかどうかは、証明のしようがない。私たち…
ランキング参加中哲学 ■「ベルクソンと現代哲学下」平井靖史他、福岡大学人文論叢53(3);941~969より引用。 時制の現在 過去 現在 未来 永久主義 ○ ○ ○ 成長ブロック説 ○ ○ ✕ 現在主義 ✕ ○ ✕ ベルクソン △ ○ ✕ 先にベルクソンの立場を、現代の議論地図のなか…
■内海健(2008)「フッサールのナイフ」(『日本病跡学雑誌』76、所収)より抜粋する。 『デカルト的省察』(1931)の中には次のような文言がある。「二つの第一次的領域は‥‥私には越えてゆくことのできない深淵(Abgrund)によって切り離されているのではない…
■『精神科医は腹の底で何を考えているか』(春日武彦、幻冬舎新書、2009)より、抜粋する。 p.176より「治りますかといった質問に答えるのには、なかなか微妙なところがある。精神科医の姿勢を試される場面でもある。なぜなら、「治る」という言葉はまことに…
■『形而上学叙説・ライプニッツ-アルノー往復書簡』(ライプニッツ、橋本由美子監訳、平凡社らいぶらりー) 「さらにおたずねしますが、アダムを個別的本性の例としてとるならば、いったいおおくの可能的アダムなどというものがどうして解されるのか私にはわ…
もしもW1とW2が二つの異なる可能世界であるならば、もちろん、同様に互いに区別し難い無限に多くの世界がW1からWnまであることになる。我々がアダムとノアについてなしたことを、他のどんなペアにも成すことができる。それゆえ、この世界から不可識別と思わ…
■『形而上学叙説・ライプニッツ-アルノー往復書簡』(ライプニッツ、橋本由美子監訳、平凡社らいぶらりー) 「その概念ないし観念のうちに、通常のあるいは超常の一連の恩寵を含み、またその他のあらゆる出来事をその状況ともども含むようなピエールやジャン…
■石黒ひで(1985)「可能世界と現実世界」(大森荘蔵他編『新岩波講座哲学4世界と意味』岩波書店、所収)より、ルイスらの可能世界論批判を引用する。-------------------------- ルウィスやスタルネカーは、すでに「対応物カウンターパート」論が展開され…
ランキング参加中哲学 ■著作集6「本論〔第一部〕、四二節」より、 「ーーこの問題での両陣営の議論の応酬に‥‥。これをうまく果たすため私は、永遠真理の領域つまり神の叡智の対象において表わされた無数の可能的世界についての私の原理に依拠する。この領域…
ランキング参加中哲学 ランキング参加中読書から得たインスピレーションを軌跡に ■ブライアン・グリーン『時間の終わりまで』(青木薫訳、講談社、2021)を読む。 第5章「粒子と意識」にある、意識のハードプロブレムを生命のハードプロブレムの歴史的運命…
ランキング参加中哲学 ランキング参加中読書から得たインスピレーションを軌跡に ■滝浦静雄『時間:その哲学的考察』(岩波新書、1976) を久しぶりで読み直し、印象の残っていた箇所を再確認。 「仮にこの私がいないとしても、あるいは地球上に人間が一人も…
■『オリヴィエ・べカイユの死・呪われた家:ゾラ傑作短編集』(国分俊宏訳、光文社古典新訳文庫、2015)を読む。 ‥‥僕が子どもの頃からひたすら恐れていたのは、虚無だった。僕は、自分の存在が消えてしまうということが、さっきまで自分だったものが突然に…
■モンティ・ライマン『痛み、人間のすべてにつながる:新しい疼痛の科学を知る12章』(塩崎香織。、みすず書房、2024)を読む。 他人の痛みについて考えるヒントがあったので、引用しておきます。 「ジョエルによれば、彼は患者さんが亡くなるのを初めて見た…
■『境界性パーソナリティ障害と離人症』(有馬成紀著、金剛出版、2013)を読む。 「筆者は代々医者の家系に生まれ‥‥運よく入学したものの‥‥大学入学はちょうど大学紛争の真っ最中であり、左翼系学生による激しいオルグに曝された。この中で離人症は悪化し、…
ランキング参加中哲学 ■「人生物語りの中の自伝的推論は自己の連続性感覚上の伝記的不連続性の効果を和らげる」(Habermas, T. & Koeber, C. (2015). Autobiographical reasoning in life narratives buffers the effect of biographical disruptions on th…
■「社会に働きかける「経験専門家」」(下平美智代)こころの科学No229(2025年1月号)(pp.2-8)より、抜粋。 「次節では、そうした経験専門家の一人、本橋直人さんの語りを掲載する。‥‥私は小学校高学年でうつ的な症状が現れ、学校に行くことができなくな…
ランキング参加中精神医療 ■『脳科学で解く心の病』(カンデル著、大岩ゆり訳、築地書館、2024、原著2019)を読む。 「7番染色体の特定の領域の欠失がウィリアム症候群を引き起こす。一方、その領域の重複は自閉症スペクトラム症の発症の可能性を高める。」…
■ホメロス『イーリアス』と『オデュッセイア』の間の深淵 デカルトが二元論の開祖だみたいな言説をみるたびに嗤いたくなる。 二元論は人類に普遍的な思考傾向としてどこにでもある。 私たちも日常は二元論的に生きている。 西洋精神史のなかで二元論の哲学的…
■オンラインジャーナル『こころの科学とエピステモロジー』("Revue d'épistémologie et des sciences de l'esprit", or "Journal of Epistemology and Mind Sciences")Vol.6 (2024)は5月15日にJ-Stage公開されました。 ←ココから入る ランキング参加中漫…
ランキング参加中哲学 ■『身体と感情の現象学』(シュミッツ/著、小川イ兄/編訳、産業図書、1986)で、フッサール他者論のキーワードAppraesentationの訳のヒントになる部分を見つけたので引用する。 過去と未来が現在化されていず、また位置時間にはめこま…
■ヘルマン・シュミッツ『身体と感情の現象学』(小川たかし編、産業図書、1986)を図書館で手に入れて読む。 「アンリ・ミショーはメスカリンによる幻想について報告しているが、そのなかでかれは、とあるグラフ雑誌の表紙を飾るカヴァーガールの写真を見た…
■「精神疾患とスティグマ:わかっていること・いないこと」(山口創生著、『精神保健福祉』Vol.54, no.3, 216-223, 2023) を読む。 特に次の段落が目を引いた。 「‥‥精神疾患に対する正しい知識が長期にスティグマの減少につながるかは、近年の研究から疑問が…
■昨年末の記事で紹介した 『「今までありがとう、これからもお願い」: 精神科医療に翻弄された父親の12年の闘い 』(吉村敏男著、Kindle版) より、特に以下のくだりが印象に残ったので抜粋する。---------------------- 元農水次官が精神病の四十四歳の長…
ランキング参加中精神医療 ■『「今までありがとう、これからもお願い」: 精神科医療に翻弄された父親の12年の闘い 』(2022)、『悪魔の処方箋』(2023).ともに吉村敏男著、Kindle版.Amazon Services International LLC.を読む。 色んな意味で震撼させら…