読書日記

アグリッパ・ゆうの読書日記(2021/3/20)『現象学とは何か』を読み、左翼の暴力性について思う

社会学出身の哲学者、西研さんに、『現象学とは何か』(河出書房新社)という共編著を贈られた。 西さん自ら書いた第2章「総論2」を読んでいて、「客観的真理を所持していると信じる者は、ときに暴力的になる」とあるくだりに目がとまった。 前後関係から…

研究日誌(2021/1/21)ヤスパース『精神病理学原論』/アモーダル知覚

●ヤスパース『精神病理学原論』 「もうかなりまとまりのない患者はこう述べた。『私には安らぎはこれっぽちおなくなってしまい、何千年もさまよい廻って、知らないうちにくりかえし生れ変っているのだが、こうなるのは世界の創造の力によるのだ。』(p.72) …

アグリッパ・ゆうの読書日記2『転生したらスライムだった件』のヒロイン、リムルの正体

今まで、川上泰樹の漫画版(第1-15巻、講談社シリウスブックス)の作画の魅力にだけ目を奪われていたけれど。 漫画版第2巻。初めて性別無き幼女形に擬態 漫画版第3巻オーガ族との闘い。やはり、小説版挿絵やアニメ版と比べても、漫画版でのリムルの愛ら…

アグリッパ・ゆうの読書日記1『異端カタリ派の歴史』

2020年5月11日。 最初に取り上げる本は『異端カタリ派の歴史』(ミシェル・ロクベール、武藤剛史/訳、講談社選書メチエ、2016)。756頁ある辞書のような分厚い本を、三週間かけて読了しました。 日本語で読める中ではカタリ派研究の決定版なのですが、読んで…