左翼マスコミによる統一教会バッシングの背景に潜む闇をえぐった問題作を紹介!

■「カルトという蔑称と反カルトに内在するカルト性:定義なき言説と対立の諸相」大喜多紀明『人文×社会』第8号(2022)、71-155

 という素晴らしい論考を見つけました。
『人文×社会』とは、東大の学生・院生が手作りで発行した雑誌ということで、手に入れにくそうですが、幸い著者が自らのブログで順次公開しているので、そこから読めます。

大喜多 紀明 (Noriaki Ohgita) - カルトという蔑称と反カルトに内在するカルト性:定義なき言説と対立の諸相 - researchmap

以下、重要だと思うくだりを、暇をみて引用させていただく積りです。

<工事中>

 

アグリッパ・ゆうの読書日記(2024/01/08):新型コロナウィルス武漢研究所流出説の決定版

■『新型コロナはどこから来たのか: 国際情勢と科学的見地から探るウイルスの起源』 (シャーリ マークソン (著), 高崎 拓哉 (翻訳)、ハーパーコリンズジャパン、2022)を読む。

以前の記事でもふれたが、その後の情勢の進展にともない、いよいよ重要性をます本となったので引用します。
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 惜しいかな通読するには分厚すぎる本なので、最終章のみ目を通すことをお勧めします。その最終章から抜粋しておきます。

「‥‥何人かの著名な科学者は、新型コロナウィルスは人間に感染するのに完璧なデザインをしているように見えることを懸念している。またそれを併せて、武漢ウィルス研究所周辺で、ある時期に普通でない、説明のつかないことが集中して起こっていた事実もある。それらを考えれば、新型コロナが施設で研究されていたウィルスではないかと疑うのは合理的なことだ。」(pp.462-463)
 じっさい、評者は最初から疑っていました。武漢のウィルス研究所から800メートルしか離れていない市場から感染が広がったという定説では、偶然の一致が過ぎるから。中国寄りとされるWHOの再調査要求さえ習近平政権が撥ね付けたというのも、それだけますます、国家存亡の大秘密を死守しようという姿勢が窺われて、疑念をかきたてます。
 ところがこの、武漢ウィルス研究所流出説は、テレビでは殆ど報道されません。NHKで2020年末にとりあげたことがあったが、その時はトランプ大統領のいかにも凶悪そうな写真と一緒という具合で、最初から陰謀論を印象付けようとする情報操作が見え見えという、ひどいもの。お陰で日本人の多くは未だに、陰謀論を信じているらしい。このようなマスコミの自己規制ぶりの裏事情も、本書のお陰で良く見えるようになりました。

*以下の記事も参照のこと。

gendai.media

研究日誌(2023/11/7)『遺伝と平等』「統合失調症の脳病態解明の到達点・未到達点」を読んで

■「統合失調症の脳病態解明の到達点・未到達点」(柳下祥・笠井清登)『医学のあゆみ』(Vol.286,2023.8.5)を読む。

 「症候群に対して対症療法として各困難に対する改善を支える生物学的な治療の開発という問題設定は可能である。根治療法的な生物学的治療の模索よりはむしろ現実的であろう。このように考えれば社会モデルは生物学と対立するものではない。むしろ生物学的な研究に新たなフォーカスを与えるといえる。」(p.527)

 「統合失調症は脳の病気」のキャンぺーンをしつこく張り続けてきた統合失調症業界もとうとう、根治療法の生物学的開発はあきらめたか、という気がする。
 無理もないことだ。脳の病気説で頭脳と資金を1世紀にわたって注ぎ続けても、未だに解決点が見えてこないのだから。
 結局、統合失調症という精神病を解明するには、「精神とは何か」解明できなければならないということだろう。

 次に‥‥

■『遺伝と平等』(キャスリン・ペイジ・バーデン著、青木薫訳、新潮社、2023)を読む。

 目についたところを引用するとー

‥‥もちろん、人生はアンフェアだーー人生の長さである寿命まで含めてそうだ。齧歯類やウサギの仲間から霊長類までさまざまな種において、社会的ヒエラルキーの序列が高い者ほど、より長く、より健康な一生を送る。アメリカでは、最富裕層の男性は、最貧困の男性に比べて、平均に15年ほど寿命が長く‥‥(16頁)

 このあと、男性間の寿命格差についての数値の列挙が続くが、女性の方が男性よりも寿命が長いという明白な事実については、何一つ触れていない。女性である著者にとっては、タブーでもあるのだろうか。

 しかしー

 男女平等をめざすのであればいつかは突き当たる問題ではないだろうか。

 現代社会にあって最高の価値が「生きること」であるならば、寿命の享受権に女男でこれほど格差があることの不合理さは、本当は誰もがひそかに自覚していることに違いないから。

 実際、若い男性の間で、短命の方の性に生まれてしまったことのコンプレクス、不幸感が、なにやら蔓延していることを感じたことがあり、びっくりしたものだった。

 今の日本のような経済面などで男女格差の大きい社会では、持ち出しにくい問題かもしれない。けれど、生命の享受権が少なくしか与えられていないことへの無意識的不遇感と被害者感情が、男女格差の解消にとってネックになりつつあるような気がする。いろんな男女格差問題と、並行して取り組むのも一つのやり方ではないだろうか。

 男性の短命さの原因を明らかにして対策を練ることへの、公的な研究計画の策定なども考えられる。「脳の十年」ならぬ、「寿命の女男格差対策の十年」とかを謳って。

 寿命の格差が解消に向かってようやく、私たちは性別による拘束から脱したと言えるのではないだろうか。今世紀の後半には欧米でまず、直面するであろう問題かもしれない。戦争や地球環境問題の深刻化で、それどころでなくなってしまう可能性もあるかもしれないが。

米国エネルギー省の発表でいっそう信憑性を増すコロナ武漢研究所流出説

タイトルの通りです。

昨年(2021/8/10)の記事をほぼそのまま再掲します。

文芸春秋』2021年8月号にも長文のレポート「武漢ウィルス人工説を追え!」(近藤奈香)が載り、コロナウィルス武漢研究所流出説がいよいよ信憑性を増してきた。
 私は最初から疑っていた。武漢のウィルス研究所から800メートルしか離れていない市場から感染が広がったという定説では、偶然の一致が過ぎるからだ。中国寄りとされるWHOの再調査要求さえ習近平政権が撥ね付けたというのも、それだけますます、国家存亡の大秘密を死守しようという姿勢が窺われて、疑念をかきたてる。
 ところがこの、武漢ウィルス研究所流出説は、テレビでは殆ど報道されない。
NHKで2020年末にとりあげたことがあったが、その時はトランプ大統領のいかにも凶悪そうな写真と一緒という具合で、最初から陰謀論を印象付けようとする情報操作が見え見えという、ひどいものだった。
お陰で日本人の多くは未だに、陰謀論を信じているらしい。このようなマスコミの自己規制ぶりには、外圧以前の内なる呪縛を感じてしまう。

<補足>新型コロナウイルスが中国の武漢ウイルス研究所で人為的に作られた事は、香港大学の閻麗夢博士が、既に告発している。その後、身の危険を感じて米国へ亡命したが、彼女は同大学の上司からの指示によって同ウイルスの初動調査を行っており、また、告発は初期の段階、即ち政治的な影響を受ける可能性の低い段階で行われている為、信憑性はかなり高い。
ちなみに、その後の中国政府は、真実を隠蔽する為、SNS・メディア・政治的圧力等あらゆる手段を使って、彼女が発信する情報が否定されるように徹底的な情報工作を行い、彼女自身の人格否定までしているらしい。
<補足2>2023年2月27日。
 その後出た『新型コロナは何処から来たのか:国際情勢と科学的見地から探るウィルスの起源』(シャーリ・マークソン著、高崎拓哉訳、ハーパーコリンズジャパン、2022)も一読。紀伊国屋書店の内容紹介より以下引用する。

ーー「新型コロナはコウモリ由来で自然変異のウイルスである」。WHOは2021年の調査でそう結論づけた。だが実際は多くの事象が「武漢研究所からの流出」の可能性を示唆し、権威ある研究者の中にもそれを論じる者は少なくない。ウイルスの本当の起源はどこなのか。流出説はなぜ陰謀論として切り捨てられたのか。取材を通じて見えてきたのは、「研究所由来」に寄った論文が検閲され、公正なはずの調査団が骨抜きになり、議論が封じ込められてきた事実。そして中国共産党の世界戦略、米政権の対立構造が複雑に絡み合った権力者たちのパワーゲームだった―。未曾有のパンデミックの裏側で起きていた出来事を、多角的に徹底検証!(紀伊国屋書店Webより)

付記。この本は通読するには分厚すぎるので、最終章のみ目を通す方がよい。その最終章での最重要部分を抜粋する。

「‥‥何人かの著名な科学者は、新型コロナウィルスは人間に感染するのに完璧なデザインをしているように見えることを懸念している。またそれを併せて、武漢ウィルス研究所周辺で、ある時期に普通でない、説明のつかないことが集中して起こっていた事実もある。それらを考えれば、新型コロナが施設で研究されていたウィルスではないかと疑うのは合理的なことだ。」(pp.462-463)

「日本学術会議声明への賛同」への反対意見「学術会議の抜本的改革を求める」を日本心理学会事務局に送るの巻

日本心理学会事務局から会員宛て「日本学術会議声明への賛同」のお知らせメールがきたので、「反対します」とリプライしたところ、以下のようなやり取りになったので、差し支えない範囲でこの記事の後半に引用しておく。「学術会議の抜本的改革を求める!」という題の添付ファイルは、本ブログの昨年の記事とほぼ同内容なので(「偽リベラルスターリニスト」といった吉本隆明ばりの穏当でない表現は削ったが)、それにリンクを貼っておいた。
 心理学会のような政治的にナイーヴな集まりだと、学問の自由への侵害だなどとバカなマスコミを通じて主張されると、何となくそう思ってしまうのだろう。けれど、会員への選任権を一方的に奪った癖に、まるで研究者を代表する組織を僭称するかのような主張には、学問の自由を侵害しているのはそっち(日本学術会議)でしょ、と言いたくなる。
このやりとりも、多分これでおしまいになりそうなので、ここに記録しておく。下記のメールではこのブログのトーンに合わせて少しばかり匿名化を図っておいた。
 また何か事態が動いたら報告する(といってももう何もないと思うが)。
 
------------2023年1月25日付日本心理学会事務局からのメール----------
○○○○先生
お世話になっております。日本心理学会事務局です。
日本学術会議声明への賛同の件で,ご反対の理由をお知らせくださり,
誠にありがとうございました。

頂戴したご意見は常務理事会に申し伝えて,
今後の学会運営の参考とさせていただきます。
重ねて御礼申し上げます。

┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛
公益社団法人日本心理学会  事務局
113-0033 東京都文京区本郷5-23-13 田村ビル2F
Tel: 03-3814-3953  Fax: 03-3814-3954
E-mail: jpa@psych.or.jp
URL: https://psych.or.jp/
Twitterhttps://twitter.com/jpa_psych
Facebookhttps://www.facebook.com/JapanesePsychologicalAssociation/
┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛


2023/01/24 10:47:50 wrote:

参考までに個人ブログに載せた記事を添付させていただきました。
要するに、学術会議の性格と主張に対する疑義があるにもかかわらず、そのような疑義を
吸い上げる試みなくして、
このようなかなり政治的性格の声明に賛同してしまうことに問題があるということですね。
なお、添付の記事は個人ブログに載せたもので表現上問題なしとはしないので、
より公開に適した意見をお求めなら、リライトしたものを送ります


2023年1月23日(月) 10:21 日本心理学会 <jpa@psych.or.jp>:

> ○○○○先生
>
> 平素より大変お世話になっております。日本心理学会事務局です。
> 本学会の活動についてご意見いただきありがとうございます。
>
> 差し支えなければ,ご反対の理由を教えていただけないでしょうか
> 今後の学会運営の参考とさせていただきたいと存じます。
>
> どうぞよろしくお願いいたします。
>
> ┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛
> 公益社団法人日本心理学会  事務局
> 113-0033 東京都文京区本郷5-23-13 田村ビル2F
> Tel: 03-3814-3953  Fax: 03-3814-3954
> E-mail: jpa@psych.or.jp
> URL: https://psych.or.jp/
> Twitterhttps://twitter.com/jpa_psych
> Facebookhttps://www.facebook.com/JapanesePsychologicalAssociation/
> ┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛
>
> 2023/01/18 18:35:51  wrote:
>
> 「日本学術会議声明への賛同」に反対します。
> ○○○○(署名)
>
>
> 2023年1月17日(火) 20:06 日本心理学会 <jpa@psych.or.jp>:
>
> > If you are unable to see this message, click the URL below.
> > https://psych.or.jp/wp-content/uploads/2023/01/JPA2022-051.pdf
> >
> >
> > 公益社団法人日本心理学会 会員 各位
> >
> > ◆------------------------------------------------------------------◆
> > 日本学術会議声明への賛同について(報告)
> > ◆------------------------------------------------------------------◆
> >
> > 本学会は,日本学術会議から発表された声明(2022年12月21日付)に対して
> > 下記の通り,賛同する旨の声明を発出しました。
> >
> > ********************
> > 令和4年(2022年)12月21日に日本学術会議から発表された声明
> > 「内閣府日本学術会議の在り方についての方針」(令和4年12月6日)
> > について再考を求めます」に賛同する。
> > https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-25-s186.pdf
> >
>

アグリッパ・ゆうの読書日記(2022/9/22)『彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠』を再び取り上げる!

■『彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠』(樋田毅、文芸春秋、2021)を少し前に本ブログに書いたが、より整理した形で再度取り上げます。

 革マル派に殺害された文学部の川口君の一年下の後輩でその後朝日新聞記者になった著者が、半世紀後に当時の状況を生々しく描き出し、当時の革マル派幹部を尋ね歩いたりしています。
 この著者の周囲ではリンチにあい登校できず退学した学生多数だったようで、学問の自由以前の状況です。
 ただし、何となく革マル派だけを槍玉に挙げて、トカゲの尻尾切りに持ち込もうという気配があります。
 そもそも中核革マル戦争は、中核が革マル派の海老原君をリンチ殺害して大学病院の前に放置したことから始まっているのです。少し後に革マル派をもう一人殺害しています。
 その時、中核派が要求に応じて謝罪をしていれば、あの凄惨な内ゲバ戦争は起こらなかったかもしれないのです。だから責任は中核にだってある。そんな暴力性では革マルを上回る中核派の集会に出たのだから、川口君だって目を付けられても仕方のない位置にあったのかな、などと思えてきます。
 繰り返し言いますが、暴力性は全共闘運動、さらには当時の反日共系左翼学生運動全体の問題だったにもかかわらず、革マル派に矮小化しているのが本書の問題です。。
 半世紀前は京大〇学部だって似たような状況だったのです(革マルではなく中核と、いまは誰も覚えていないブントなる組織が中心でした)。じっさい評者も、乱闘に巻き込まれて怪我をしたりしたし、全共闘派に研究棟を封鎖されたため実験ができなくなり、その後のキャリアで実験家を断念せざるをえなくなったものでした。
 ところが全共闘派の学生の中にはバリケートの内側で実験をやって論文を書いた者がいました(その後どこかの大学に就職したと聞いていますがコイツだけは許せません。また、同じクラスの全共闘派の学生が、朝日新聞に就職しています。それで分かることは、左翼崩れが大量にマスコミに流入して、いまだにその縮小再生産が続いているということです。こんなんで報道の中立性など守られるわけがありません))。
 このような経験があると、「般化の法則」によって嫌悪の対象が全共闘派だけでなくマルクス主義的左翼全般に及んでしまいます。けれど、寛容なリベラル社会を目指す一人として、そのような感情を引きずっているのはまずいのではないでしょうか。本書の著者の樋口氏も、非寛容に対していかに寛容でありうるかの問いを投げかけています。
 そこで必要となるのが、体験テクストに基づく学問状況の現代史です。『激動 日本左翼史 学生運動と過激派 1960-1972』(池上彰佐藤優)も読みましたが、著者らが当事者目線ではないので掘り下げが足りません。こちらで目論むのは、色んな立場での直接体験テクストの収集に基づくものです。
 ー-等などと言っても、評者には残り時間が少ないし、そもそも発表場所も簡単には見つかりそうもないので、だれか後から来る人に託せればいいです。
 教授会団交なるものに出たことがあるが、司会の大学院生が「自分は極左暴力主義者だと言われている」と自慢していたことを思い出す。そんな暴力崇拝の時代だったのです。やはり全共闘運動はボルシェヴィズムよりナチズムのヒトラー・ユーゲントに似ている。だれか、戦後最大の青年全体主義運動であった全共闘運動を調査して、「全共闘黒書」を編んでくれませんか。いつまでも証言者がいるとは限らないのだし。

追悼!安倍晋三元首相:左翼の暴力的ヘイトスピーチの積み重ねがテロルの呼び水になったのではないか?

安倍晋三元首相が参院選の応援演説中に凶弾で倒れた。QUADの枠組みを作るなど、外交・安全保障上の功績は大きい。冥福を祈る。

それにつけても、容疑者の言い分や政治的立場はどうあれ、安倍氏をターゲットとした左翼による長年の暴力的ヘイトスピーチの積み重ねが、このテロルの遠因になったと思えてならない。
 それについて、一年ほど前、このブログに記事を書いたので、そこから以下に引用する。最後の「左翼的ヘイトスピーチのターゲットが安部前首相に集中していることに気づく。安部さんにとっては名誉なことと捉えるべきか(笑。」の結びにある記号の「笑」が、今回の事件で笑いごとではなくなってしまったわけだ。旧社会党顧問で(当時の多分)民主党顧問だった北大の山口何某は、数年前の国会デモの集会で「アベよ、ぶった切るゾ~」と叫んだというが(これってもしかしたら殺人教唆罪に当たるのでは?)、このような左翼的ヘイトスピーチのくりかえしによって、「アイツは殺してもイイんだ」という空気が醸成されて、今回のテロルに発展したのだと考えられないだろうか。左翼的ヘイトスピーチは今までの日本では権力者への抵抗と見なされて大目に見られてきた事情がある。けれども立場はどうであれ人間一個の生命の値打ちは同等である以上、ヘイトスピーチヘイトスピーチなのだ。あらためて、左翼的な暴力的ヘイトスピーチの根絶を訴えるものである。

-------------2021年3月20日記事からの引用--------------

‥‥なるほど最近は左翼も、かつての暴力革命路線を引っ込めて、鎧の上の衣よろしく「リベラル」の仮面を付けるのに余念がないように見える。

けれども、ふとしたスピーチにも暴力性の片鱗が窺われて、ゾクッとすることがある。

昨年秋にも、精華大の準教授が、ユーミンが安部前首相の退陣を惜しむメッセージを発表したのを掴まえて、ユーミン荒井由実のままで死んでいればよかった、といったことをブログに書き、大学から訓戒処分を受けたというニュースがあった。

精華大と言えば、マンガ家の竹宮恵子さんが学長をやっておられることで知られているが(まだ現役だったかな?)、大学側の処分理由に、死んでいればよかったという暴力性は見過ごせない、といったくだりがあったことが印象に残っている。

処分を受けた准教授は資本論の研究者というから、ガチでマルクス主義者なのだろう。言葉による暴力をもヘイトスピーチとして許容しないほど、リベラル化が進んだ世の中で、マルクス主義左翼が時代に取り残されつつあることの、象徴的事件とみえた。

似たような事件で、6年前の安保法制問題のころ、国会前での反対派の集会で、山口なんとかという当時の北大教授で(たぶん)民主党の顧問だった人が、「安部よ、ぶったぎるぞー」とマイクで叫んだということがあった。

これなど、歴としたヘイトスピーチで、今の時代なら確実に問題視されただろう。

けれども、山口なんとか氏が、民主党はじめ集会の責任者側から処分を受けたという話は、ついぞ聞かない。

後で知ったのだが、この人は日本社会党史の研究者でもあるらしい。
年齢からいっても70年大学紛争の頃は暴力革命を怒号していたクチだと見当が付く。

ちなみに旧日本社会党は、名称から想像されるような社会民主主義政党ではなく、歴としたマルクス主義政党だった。だから社会民主党に党名を変更しようというときに反対論が噴出し、一部は新社会党へ、そして一部は民主党へと流れ込んだのだった。

それはともあれ、いくらリベラルの仮面を被っていても、左翼マルクス主義の暴力性がどこかで顔を出すものなのだ。ちなみに左翼的ヘイトスピーチのターゲットが安部前首相に集中していることに気づく。安部さんにとっては名誉なことと捉えるべきか(笑。

周知のように戦後左翼は、連赤事件からベルリンの壁崩壊と、崩壊の一途をたどった。これを右傾化などと胡麻化さないで、証言を残し、原因を究明し、代案を提起してゆかなければ、またぞろ同じことの繰り返しになってしまうだろう。

--------2021年3月20日の元記事全文はココ⇒2021・3月20日----------